ここのところ実用書ばかり読んでいたのですが、ふと小説が読みたくなって本屋さんへ。
たまたま手に取ったのが宮下奈都さんの『太陽のパスタ、豆のスープ』でした。
何の気なしに読んだ本でしたがめちゃくちゃよかったので、つらつら感想を書いていきたいと思います。
「豆」を探す物語
この物語でキーワードとなるのが「豆」。食べ物としての「豆」のみならず、ここではもうひとつの意味を持っています。
それは一生をかけて追い求めていくもの。
一言でいえば、「生きがい」とか「情熱」という言葉になるのかもしれません。
主人公あすわは平凡なOL。
なんとなく日々を過ごす彼女に「豆」にあたるものはありません。
婚約者に振られたことをきっかけに、彼女自身の「豆」を探しもとめもがいていきます。
「豆」を持っていないことへの肯定
この本の何が好きかというと、あすわが「豆」を見つけてめでたしめでたし、という結末にならなかったところ。
それでいて、「それでもいいのだ」という肯定がはっきり描かれている。
「豆」を持っている人は魅力的だけれど、でもそんなもの持っていない人が大多数なんじゃないでしょうか。
この本はそんな私たちを否定することなく、それでいてどうしたらいいのかをそっと教えてくれるのです。
京や郁ちゃんになれない私たちはどう生きていくか
「豆」を見つけられずにいる私たちはぼーっと生きていくしかないんでしょうか。
この本がひとつの答えを提示してくれました。
それがリストを作ること。
あすわみたいに、チラシの裏でいいからほしいもの、やりたいことを書いていく。
自分がどうありたいのかを明確にしていく。
それを考えることこそが、生きる意味みたいなものなんだと思います。
サボらずに生きていきたい。
コメント